【退職エントリ】富士通を脱出した経緯

 

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利用イラスト:Icons8

まえがき

「御社に入社します、これからよろしくおねがいします。」
転職先に電話で伝えた。
受話器の向こうからでも、笑顔で話している採用担当の顔が思い浮かんだ。
この記事は、まだ転職することに違和感がある意思決定の流れです。
タイトルに反して、富士通のいいことをたくさん書いています。

要約

 

この記事は退職エントリです。
まず初めに言っておきたいことは、富士通はいい会社だということです。
エンジニア知識がない新卒のファーストキャリアとしては、最適だと思います。
ただ、いろいろと冒険だったり、個性を出して楽しく仕事したい人には窮屈に感じることがあります。不満ももちろんありました。

匿名で書くことも考えたのですが、 ポジティブに転職を紹介したいため、ネガティブなことを書きづらいように既存のアカウントで発信します。
また、特定を避けるため、できるだけ抽象度を高く・少しの嘘を交えます。

自己紹介

■長い自己紹介は聞きたくないと思うので、端的に。

・官公庁分野のシステムエンジニア
・学部卒で入社5年目
・学生時代は理系だが、プログラミングはほぼやっていない
・独身で一人暮らし

この記事を書く背景

■「同じを悩みを抱えている人の助けになれば」と「自身のキャリアについての考えまとめ」のためです。
転職を考えたとき、以下の本を読みました。

完全SIer脱出マニュアル

漠然とWeb系企業への転職を考えていた自分にとって、 IT業界の構造から、転職のステップまでを事細かに書いて助かりました。

この本の中で

転職までの経緯をアウトプットしましょう
あなたと同じように、楽しくない仕事に少しずつ精神を削られ、いつかは楽しく働くことを夢見ている人は沢山います。

という記事があり、今の僕を突き動かしています。

入社理由

■以下の理由からです。
・理系大学なので、「SIerとして適正があるのでは?」という思い込み。
・『多くの人の役に立つ仕事』を就活の軸にしていたため、インフラに関わる仕事がしたかった。
・福利厚生が充実している。

ただ実のところ、富士通への入社理由は「なるようになった。」が一番多いです。今思えば新卒で明確な軸なんてなかったです。

富士通の良いところ

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■以下の6つです。出してみたら、たくさんあっていい会社ということが再確認できました。

年間休日125日
転職活動で他社を見てましたが、なかなかなかったです。
基本的には土日はお休みで、別で夏休みと年末年始休みが取れます。
海外旅行が好きな自分は、夏休みの時期を9月頃にずらして、オフシーズンにお得に旅行などもしていました。

福利厚生の充実
家賃補助が4万円くらい(自分は適用外)だったり、 一通りの福利厚生は揃ってます。
会社が持っている別荘(保養所)とか一度は使ってみたかったです。

安定した業界
大企業であって、古くからある安定したシステムを無数に持っています。
自社フレームワークを使っているシステムであったり、ベンダーロックイン(他社が入札に入りづらい)していることも多々あります。
なので、10年は安定な案件を複数持っているのは、企業として強いと思います。

明確なキャリアモデル
社員数が多い分、5年後、10年後のキャリアに対して「だいたいこんな感じの生活おくるんだなぁ」みたいなのが見えます。
また、キャリアパスも多数存在しているので、どうしてもキャリアを変えたい場合などは社内公募やFA制度もあります。(こちらは後述ででてきます。)

テレワークやフレックス勤務
「Work Life Shift 」を全面に打ち出しており、まだ過渡期ですが、テレワークやフレックス勤務がかなり進んでいます。
自分は出勤していましたが、半年間会社に出社していない(しなくていい)同期もいます。

教育の充実
システムエンジニアは最低6ヶ月ほど集合研修があります。
Javaとはなんぞや』から始まり『Javaでショッピングサイト構築』まで行います。勉強しながらお金をもらえる環境は貴重でしたね。

退職理由

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■以下の4つです。

企業と自分の価値観ミスマッチ
仕事を5年間ほどやってくうちに、仕事をやっていて「楽しい」と思うことが明確になりました。
具体的には、「カイゼン活動を近くのエンドユーザがリアクションをしてくる」ことだったり、「チーム(または自分自身)にしかできない付加価値があるから周囲に頼られる」ことだったり。
富士通にいると社会に大きな影響(例:全国民がエンドユーザとなるシステムの構築)を与えることはできますが、そのやりがいは自分の価値観とは違うことに気づきました。

SI(システムインテグレーション)業界への適正
SI業界が非常に有効な業界もあると思います。(例:官公庁系の基幹システムはSI業界が作ったほうが品質が担保できる) このSI業界は、人によって適正があって、自分があわないと感じるときが多々ありました。

環境の変化
部署がくっついたり、離れたり自分の力の及ばない範囲でゲームのルールがどんどん変わってく感覚に違和感を持っていました。
また、帰属意識がただでさえ薄かったのにも関わらず、テレワークの推進で、富士通として仕事をするという意識はより薄くなりました。
「今の環境で10年後、なりたい大人になれてるのか?」と未来の自分問いかけたとき、未来の自分は口ごもっていました。

富士通の社員が優秀
富士通は優秀な方々がいます。
その方々が引っ張っているおかげで、成り立っているプロジェクトがいくつか存在します。
自分はへっぽこエンジニアであるため、勤務中に「自分がいないほうが、優秀な方々は働きやすいのではないか?」と考えるときがありました。
ところが転職活動をしてみると、自分を必要としている企業がいくつもありました。
転職面談でも、今までに行ったカイゼン活動や開発経験も評価していただき、「自分がいることによって、ユーザにより良いプロダクトを提供できる場所は現職ではない」という考えが芽生えました。

退職前にした行動

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■履歴書作成とは別に、以下の4つを行いました。

社内公募の検討
富士通には自分にはもったいないほどいいところが沢山あります。
そのいいところを活かしつつ、環境を変えられないか検討しました。
具体的には、社内公募制の活用です。
活用することも1ヶ月くらい検討~選考をうけましたが、以下の観点から辞退しました。

①前述した転職理由を考えたときに、富士通にいたら同様の悩みが発生しうる。
②「環境が変われば変わるだけ、人として成長できる」という通説を信じてみたかった。(今なら守るものが少ないから飛び出しやすい)

転職エージェントに登録・面談
自信がなかったため市場価値を判断してもらうことを目的に受けました。
具体的には以下のように利用しました。

①市場価値がどれくらいなのか第三者目線で意見をもらう
②紹介された企業のなかから気になった企業を転職サイトからアプローチ(エージェントを介さず自分からアプローチする)

自分のやりたいこと探し
今回の転職活動で響いた本は以下です。
本を読んで「本当にやりたいこと」を考えました。
新卒のときより実際の仕事を知っている分イメージしやすかったです。

世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方

簡単な実績作り
エンジニアとして、以下の2つはやっといたほうがいいと考え実行しました。
①Qiitaでの簡単な記事投稿
②自分のスキルに紐づくエピソードの棚卸

転職先

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少し大きめのSaasを提供している系ベンチャー企業です。
ごりごりのエンジニアとしてではなく、社内のデジタル推進する立ち回りで仕事します。(社内SEっぽい立ち位置だけど厳密には違う)
企業として、つよつよエンジニアが多数在籍しているので、その人達と交流を得ながら、エンジニアとしても成長していきたいです。